6月だというのに早くも日本を訪問された台風7号が、よこなぐりの雨を窓にたたきつけています。「あすてろいど19号の」の編集の仕上げにとりかかったところですが、台風はこれから関東にやってくる模様です。この号は遂に20ページと、前号をさらに4ページも上回ってしまいました。内容も広範囲になり、各執筆者の熱意で充実したものになってきたと自負しています。ただ情報の一方通行になるのは避けたいと思いますので、これからは会員の声の特集なども考えたいとおもいます。どしどしご意見やご感想をお寄せ頂けると有り難いと思います。
今月のイメージはJSGAのロゴをデザインして頂いた衣笠さんにお願いしました。ロゴ採用に際してJSGAから衣笠さんへの謝礼は、宇宙飛行士である土井さんの色紙でした。エッセイにもありましたように、JSGA会員である土井さんの宇宙飛行の成功を編集室もお祈りしています。
ニース天文台滞在中の吉川さんは相変わらず仕事に、家庭に頑張っておられるようです。今回も長いエッセイと、たくさんの写真を頂きました。全部載せられないのは残念ですが、その中から勝手に選んで掲載させて頂きました。残ったものに関しても機会をみてご紹介したいと思います。
歌島さんは誠実で大変に仕事が早く、いつも感心しています。前号で提案頂いた宇宙からNEOを観測するミッションの提案をもとに、早速シミュレーションを実行され、すでにレポートにまとめれています。その概要を紹介して頂きました。
編集室から長い間執筆要請をしてきました、待望の連載がこの号から始まりました。古宇田さんの「衝突と気候変動、及び絶滅と文明盛衰」です。世界各地の調査に奔走されている地質の専門家であると同時に、底の知れない博学ぶりをバックにして、これからどのような展開をされるか本当に楽しみです。
宇宙の塵から太陽系の進化が見えてくる、宇宙塵研究の最先端で頑張っておられる矢野さんに、大変にわかりやすいイントロダクションをして頂きました。自然の塵だけでなく人工の塵も含めて、研究を精力的に進められている様子がよくうかがえます。
8月に京都で開かれるIAU総会には世界中から多くの天文研究者が集まりますが、JSGAではこの機会に講演会を企画しました。8月末から9月はじめにかけて大阪、名古屋、東京でそれぞれ行うことにしております。開催案内を「お知らせ」のところで紹介しましたが、皆様のご来場をお待ちしています。
最後に編集室の松島はこの6月をもって航空宇宙技術研究所を退職いたします。したがってこの号が航技研の「あすてろいど編集室」での最後の編集ということになります。季節の移り変わりを見事に展開する窓からの景観とも、いよいよお別れかと思うと感無量なるものがあります。92年5月から満5年、ページ数、発行部数ともにその微係数を負にすることはありませんでした。この間原稿の執筆だけでなく、発行継続に関して精神的、また財政的に多くの方のお世話になってきました。小惑星をはじめとするマイナーな天体についての啓蒙という「あすてろいど」発刊の目標に、ごく僅かな貢献でもすることができたとしたら、お世話になった方々にせめてものお礼ということになるのですが。
20号以降の発行についてJSGAとして明確になっておりませんが、当面は私が継続しようと考えています。したがって新しい編集室の住所はまだわかりませんが、しばらくは航技研にあるJSGA事務局の豊川さんを通して会員の皆様との連携をとって行きたいと思います。10月に発行を予定している20号では編集室をどこに置くかも明示できると思いますが、それまでは上記のことをご了承の上、よろしくお願いいたします。
(写真はNASAジョンソン宇宙センター Phot 松島)