明けましておめでとうございます。昨年はどちらかというと社会的に大変重 苦しいニュースが多く、しばしば気分が滅入りがちになりました。今年こそは、と 言いたいところですが、事態が好転するという期待を持つことも難しそうです。他 力本願ではなく、各自が状況打破のためにどうするかを考え、実行に移す年という べきかもしれません。
さて、JSGAも発足以来1年2カ月が過ぎました。この「あすてろいど」 も協会の機関誌となってこれが5号目となります。昨年、協会が会員に対して行っ たアンケート調査の中に、「あすてろいど」に対するご意見も書いていただきまし た。そのご要望にはできるだけ添えるよう努力したいと思います。その中で特に内 容に関しては、対象を天文学全般の問題に広げてほしい、基礎的なことを分かり易 く説明してほしい、関連する機関や研究の紹介や、講演会のお知らせなど、タイム リーな情報が少ない、などのご意見をいただきました。また活字が小さくて読みに くい、というおしかりも受けました。編集室としてもでご希望に対応するよう、き るだけ努力したいと考えています。ただ編集室からの希望を少し言わせていただき ますと、JSGAの本来の目的は、地球に接近する小惑星(NEO)の探索や、関 連する研究を国内、国外の関連する機関、研究者と連携して進めること、そして得 られた成果や情報を研究者だけでなく、この問題に関心を持つ多くの方々と共有し、 正しい知識の普及に努めることにあります。これらを会員全員が、それぞれの可能 な分野や範囲で協力して進めることになるわけです。もちろん会費を払うというだ けでも、協会の運営をサポートしているわけで、十分貢献されることにはなるので すが。したがって、「あすてろいど」もこのような活動に必要な情報を中心に載せ ることになると思います。年4回程度発行の小冊子では、載せられる情報量もごく 限られてしまいます。会員の皆様もわからないこと、あるいは知りたいことがあり ましたら、「・・・はどういうことか」、「・・・という問題を解説してくれ」と いうように、具体的に編集室まで要望していただければ、大変に助かります。よろ しくお願いいたします。
それから字をもっと大きくして欲しい、写真をカラーにできないか、というご 意見も幾つかありました。これは編集室も望むところではありますが、当面は難し い状況にあります。実状を申し上げますと、現在一部40円程する印刷費と、会員 への郵送費を捻出するのが精いっぱいというところで、もちろん編集室の予算など というのもありません。今後協会の財政がより豊かな方向に進むことを期待し、か つそのための工夫と努力が必要になると思います。ただインターネットのJSGA ホームページでは写真をすべてカラーで掲載しています。そちらも合わせてご愛読 下さい。
というわけで前置きが長くなってしまいました。記事の紹介は今回は難しいの で、特にお知らせしたいことに二、三触れさせて頂きます。昨年11月に見事な船 外活動をした土井さんの映像は、多くの人々をテレビに釘付けにしました。土井さ んは大変熱心な星のマニアで、今回は宇宙からのすばらしい星天に感動した様子を 伝えてきてくれました。またJSGAの活動にも大変関心を持たれ、JSGAの旗 をシャトルに持っていってくれました。
大変ご好評を頂いていた「ニース天文台の12カ月」の筆者吉川さんは昨年 12月に帰国されました。しかし、帰国後もそのエピローグとして1、2回連載を 続けて下さる予定です。
最後にこの号から連載になる「国友藤兵衛の望遠鏡」の筆者、渡辺さんは上田 市教育委員会勤務の傍ら、この望遠鏡研究のため、国立天文台、京都大学、そして 藤兵衛の出身地と、全国をエネルギッシュに奔走されておられます。
(写真はカナダ、ガスぺ半島で。 松島)