磯部 秀三(国立天文台)
宇宙開発事業団と宇宙科学研究所による月1号機SELENEが2003年打ち上げに向けて実際的な作業が始まっている。そして、月2号機の議論も続けられてきたが、2006年打ち上げを目指した予算化を2000年度から行う努力が進められている。そのためには今年度中にどのような月ミッションにするかをある程度決めなければならない段階になってきた。
日本スペースガード協会では、2015年以降の本格的な月面NEO望遠鏡を目標にし、月2号機では口径30cmのNEO望遠鏡計画を提案してきた。そして、これまでの検討委員会では有力な月ミッション候補とされてきた。この問題に対して天文学やその他のコミュニティの方々の意見をお聞きし、より実効性のあるプロジェクトにするために宇宙開発事業団と宇宙科学研究所に加えて国立天文台が共同で主催する月ミッション2号機シンポジウムが12月に国立天文台で開催されることになった。まだ詳細な日程が決まっていないので、関心のある方は磯部まで問い合わせてほしい。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
日本宇宙フォーラムが発注元となるNEO・スペースデブリ望遠鏡の検討委員会が6月から8月まで集中的に開催され、その仕様が決定された。目下、11月10日前後に行われる入札のための仕様書作りが、日本宇宙フォーラムで精力的に行われている。望遠鏡とCCDカメラのハード部分に関しては磯部が中心となって検討し、ソフト部分は吉川真が副会長の中野主一と相談して検討しているので、実質的には日本スペースガード協会が作業の中心となっている。まだこの稿を書く段階では指名競争入札前であるので、詳細な記事にはできないが、第23号に書いた内容にかなり近いものとなった。
美星町内に建設される建物の外観図も描かれてきたので、これも次号で示すことにする。入札が予算内で順調に終わると一応ほっとできるが、その後も来年秋の0.5m望遠鏡の観測開始、2000年秋の1.0m望遠鏡の開始と気の抜けない状況が続く。多くの会員の応援と御支援をお願いしたい。