編集室から
松島弘一
大変堅い話になってしまったが、1999年7月、遂にノストラダムス先生の予言された問題の時が、刻々と過ぎて行こうとしている。梅雨の晴れ間、待ちかねたようにひぐらしの声が響いてくる。この静かな世界に恐怖の魔王はどのような姿で登場するのか想像するのが難しい。今月のイメージにおける由紀さんの考察は、いささか真面目さに欠けるきらいはあるが、大予言をこよなく愛し、エンジョイする方々の一面を伝えている。このまま問題の時が何もなく過ぎてしまったとき、この方々はどのように対応されるのか、これも楽しみである。 ところで昨年から近い将来、かなり地球に接近し、衝突の可能性も幾分かは考えられるという天体の発見が相次いでいる。このような天体の発見は、NEO問題に関わる幾つかの基本的課題を、浮き彫りにすることとなった。衝突の危険をどう評価するのか、発見された危険天体のフォローアップをどうするのか、そして一般への情報伝達をどのようにしたらよいのか、といった課題である。今年6月のイタリア、トリノでの会議での議論も、かなり熱が入ったようである。この辺の状況を、磯部会長、吉川さんに紹介していただいた。またインターネット上に飛び交うニュースについて、祖父江さんに整理していただいた。紙面の都合で、かなり省略せざるをえなかったのは残念であるが、このニュース紹介は今後継続してお願いすることになっている。今後NEOの探索が世界的に本格化するにしたがい、情報も多様化し、その紹介はますます重要になると思われる。 この号から編集室にもう一人、強力な助っ人が加わった。Jona(イオナと読む)さんである。もちろん、純粋の日本青年である。本業ではないが、絵を趣味とし、そして大変上手である。今回は「今月のイメージ」、及び最終回を迎えた「ちょんまげ頭で見た天体」にその一端を見せてもらった。これからも、幾分堅くなりがちな紙面を、楽しいイメージで和らげてもらえると期待している。 最後に6回にわたって、大変おもしろい、しかも研究の進行に合わせて充実した内容の連載をして頂いた渡辺さんに感謝したい。江戸時代に作られた望遠鏡を中心に、様々な研究者を結んでエネルギッシュな研究活動を展開された行動力には本当に脱帽でした。 (写真はブリュッセルで見るNEOの進入?) |
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