超高感度工業用Video Canera 追加リポート
渡辺文雄(上田市教育委員会)
本紙7月号で、私の入手した工業用ビデオカメラ(図1)について試用リポートを掲載したところ、その後たくさんの方から問い合わせを頂いた。いずれもその高感度ぶりについて興味を持たれた方々ですが、言い替えるとそれだけビデオレートの超高感度カメラに対する需要が有るということになるのかもしれない。 その後このカメラを購入した秋葉原の「トモカ電気」さんに所用があって寄った折に、最近「あすてろいど」の記事が元でこのカメラについての問い合わせが非常に多くなっており、ちょっとした評判であると言うお話しもお聞きした。いずれにせよ「あすてろいど 7月号」の私のリポートに対してお問い合わせ頂いた多くの方々は「あすてろいど」若くは 「JSGA のホームペジ」をご覧いただいた方であることは間違いないことであり、広報担当の一員としては非常に嬉しいことでもある。 その後追加テストもなかなかきちんとやっている時間もとれず、伸び伸びになっていたが、12月7日の21:00〜26:00頃にかけてどの程度暗い恒星まで撮影できるか、のテストを行った結果について報告する。このテストは上田市と諏訪の中間位(あすてろいど編集室の松島氏宅近く)の長門町の町有林内にある個人天文台の40cm 反射赤道儀によっておっこなった。普通は限界等級の確認には北極星付近を撮影することが多いが、この夜は気温が-10℃近くまで下がり、おまけに北風が強くドームを北に向ける根性がでなかった、したがってあまり風の吹き込まない南東方向に上がって来ている「オリオン座」と「ふたご座」の中間付近に望遠鏡を向けた。 観測エリアは赤径 060057 赤偉+2008.5 に位置するSAO/AGK 4.7 B の恒星を中心とする付近で、撮影できた恒星をGuide Star Catalogue で等級を確認した。それによると中央の恒星は眼視等級5.5等級であるが、この恒星はすでに CCD で飽和していることがモニターで確認できる。その周辺に4個の恒星が見えているが、このうち3個は 11.4 等級、残るかすかな1個は12.8等であることが確認できた。この夜は風が強くシーングは2/5 位であったので若干は最微等級が上がっているかもしれないが、7月号で報告した結果は感覚的な数値であったこともあり、撮影限界等級は1〜1.5 等甘かったかもしれない。しかしながら従来から販売されている工業用ビデオカメラと比較して圧倒的に高感度であると言う評価が変るものではないだろう。 このあとオリオン座のM-42 に望遠鏡を振ってみると、これはスゴイ完全に写真的なM-42 のイメージがモニターに写し出されている。HII領域の雲状の蝶が羽を広げたようなイメージが完全に見える。全天でも一番明るい星雲に属するとはいえ、これだけに撮影できるビデオカメラはやはり初めてである。中心に位置するトラペジュウム(5.36
. 6.84 . 6.86 . 8.1 等級)は飽和してしまい星像が肥大しているが、ほぼ処理なしのビデオ画像を PC から出力したものをご覧頂く(図2)(印刷が出ると良いのですが・・)。さらにもう一枚の広視野のものは 25mm f 0.95
ビデオカメラ用レンズによる撮像である。(図3)なお、資料は大分古いが SIT Cmera に関する最近の資料が見当たらないため、参考迄に
SIT と同程度の感度であるというバックデーターとして図-4 を掲載する。 Watec Video Camera 秋葉原販売代理店 |
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