美星スペースガードセンターからの報告 (3)


                                             美星スペースガードセンター展示棟のオープン
                        寺薗 淳也(日本宇宙フォーラム) 


9月1日から、美星スペースガードセンター展示棟もオープンしました。ここは、日本でも珍しい、スペースデブリや地球に近づく小惑星について専門的に展示した施設です。ここで、展示棟について簡単にご紹介しましょう。

 入り口を入ると、真正面には、1996年に回収された日本の実験衛星「SFU」のパネルが展示されています。この衛星は約6ヶ月間宇宙空間で実験を行い、1996年1月、若田光一さんが乗り込んだスペースシャトルで回収されたことで有名です。この衛星の放熱板の一部がここで展示されており、スペースデブリが衝突した跡を見ることができます。

 このパネルの右側には、航空宇宙技術研究所で行われたスペースデブリの模擬衝突実験のサンプルが置かれています。スペースデブリの衝突を模した実験により、厚さ40mmのアルミ板に巨大な穴があいた実験サンプルが展示されていて、これが宇宙で起きたら…と、思わず寒気がしてきます。また、壁にはスペースデブリについての情報が満載のパネル展示がいっぱいあります。

 コーナーをまわると、奥にはスクリーンがあります。ここで、美星スペースガードセンターの概要や、その活動について紹介したビデオを見ることができます。
奥に進んでいきますと、美星スペースガードセンター、及び、現在建設が進められている、上齋原スペースセンターについての解説や模型があります。その先が、地球に近づく小惑星についての展示コーナーです。

 ここには、地球に近づく小惑星のリストなど、たくさんの情報がわかりやすく展示されています。「小惑星とは何か」から始まり、地球に近づく小惑星のリストや、小惑星の族の説明、探査機が撮影した小惑星の写真などもあります。小惑星を全く知らない人でも、ここにくれば一発で小惑星博士になれる…というのはちょっとオーバーですが、そのくらい内容たっぷりの展示になっています。

 展示棟内にはパソコンも設置され、そのうち2台はインターネットにも接続されています。インターネットを通じて、最新の観測画像や、小惑星、スペースデブリに関係した世界のウェブサイトへアクセスすることができます(もちろん、日本スペースガード協会のサーバにも行くことができます)

 この美星スペースガードセンター展示棟は美星天文台のすぐお隣にあります。また、近く(歩いて数分)には、「中世夢が原」という、鎌倉・室町時代に吉備高原一帯にみられたむらの様子を歴史考証により再現したテーマパークもあります。もし美星町に行かれる際には、こちらもお訪ねになってみてはいかがでしょうか。

 なお、美星スペースガードセンター展示棟への入場は無料です。(美星天文台、及び中世夢が原は一体となっており、中世夢が原入場門より入園料を支払って入場することになります。)また、美星スペースガードセンターそのものの見学はできませんので、ご注意下さい。

<美星スペースガードセンター展示棟開館時間>

・開館時間  9:30〜16:00
       但し、金・土・日・月曜日には、
       22:00まで開館いたします。
・休館日   毎週木曜日、祝日の翌日、年末年
       始(12月29日〜1月3日)

 美星町へのアクセスや美星天文台につきましては、4ページ下に示したホームページをご参照下さい。


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