あすてろいど ニュース (その2)

        2000年のNEA観測

 現在、地球近傍小惑星の検出観測を中心に行っているチームは6つある。マサチューセッツ工科大学のLINEAR,ローウェル天文台のLONEOS,アリゾナ大学のSPACEWATCHとCATALINA、NASAのNEAT,それに日本スペースガード協会のBATTeRSである。2000年に発見したNEAの総数は339個で、それぞれLINEARが72%、LONEOSが10%、SPACEWATCHが7%、CATALINAが4%である。残念ながら、BATTeRSは2000UV13たった1個であったが、それは大物で、これまで発見されているNEAの中では2番目に大きいものであった。
 NEAの発見数は急速に増えている。1980年代では1年に8個程度であったが、SPACEWATCHが動き出した1990年代には1年に75個になり、現在では1日1個のペースにまでなってきた。総数では1,000個を越し、直径1km以上のものだけでも400個を越えた。これらの観測を基にした理論的な研究によると、直径1km以上のNEAは総数約1,000個であるので、NASAでは10年以内にその90%以上を見つけられると予想している。しかし、残り10%を見つけ尽くすには、より効率的に検出観測する望遠鏡システムが必要で、2001年度中頃には動き出す美星スペースガードセンターの1m望遠鏡が期待されるところである。