スペースガード研究9:天体の地球衝突問題にどう取り組むか

天体の地球衝突問題はスペースガードないしプラネタリー・ディフェンスと呼ばれますが、その活動が本格化してからすでに20年が過ぎました。特に2013年2月のチェリャビンスク隕石の落下以降、この問題に対する国際的な動きが活発になってきています。 2013年には、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)にて、IAWN(International Asteroid Warning Network)SMPAG(Space Mission Planning Advisory Group)の2つが設立されることが決議され、実際に活動を開始しました。 これらはそれぞれ、地球接近天体(NEO)の発見とNEOの衝突回避を目的としています。 この動きに合わせて、国内ではJAXA・国立天文台・日本スペースガード協会などの研究者が協力して、アジア太平洋地域でのNEO観測を推進していくためのネットワークであるAPAON(Asia-Pacific Asteroid Observation Network)を立ち上げています。 このような専門家の間での動きに加えて、天体衝突問題を広く一般に知ってもらうことを目的にしたAsteroid Dayというような活動も2015年から始まり、急速に拡大しています。

そして、2017年5月15-19日、東京(日本科学未来館)において、Planetary Defense Conference (PDC)が開催されることになりました。 これは、天体の地球衝突問題についていろいろな側面から専門家が議論する国際会議です。 通算7回目となりますが、欧米以外での開催は初めてとなります。

このような状況を受けてわれわれは、PDCに向けた準備も兼ねつつ天体の地球衝突問題についてどう取り組むべきなのかを改めて考えるため、 地球接近天体・始原天体などの太陽系小天体に関する観測や理論、衝突現象、衝突回避、天体衝突による災害などに関する講演を募集してシンポジウムを開催し、 深く議論を交わしました。

2017年7月 
シンポジウム「天体の地球衝突問題にどう取り組むか」世話人
 吉川 真、柳沢俊史、黒崎裕久、池永敏憲、小田 寛、
 奥村真一郎、浦川聖太郎、西山広太、二村徳宏、藤原智子、
 渡部潤一、伊藤孝士、吉田二美


参加者名簿(50音順)

氏名

所属

阿部新助

日本大学理工学部

荒井朋子

千葉工業大学 惑星探査研究センター

家 正則

国立天文台

池永敏憲

JAXA

石川恒太

共同通信社 科学部

伊藤孝士

国立天文台天文シミュレーションプロジェクト

井本 昭

日本惑星協会

浦川聖太郎

日本スペースガード協会

大朝由美子(ネット参加)

埼玉大学

大澤 亮

東京大学 理学系研究科天文学教育研究センター

大塚勝仁

国立天文台 

奥村真一郎

日本スペースガード協会

押上祥子

工学院大学学習支援センター

加藤公子

日本スペースガード協会会員

加藤 遼

日本大学理工学部航空宇宙工学科、阿部研究室4

香取啓介

朝日新聞社

川口淳一郎

JAXA

熊谷謙一

日本ILO協議会

黒崎裕久

JAXA

齋藤 泉

栃木県子ども総合科学館

澤井恭助

日本大学大学院航空宇宙工学専攻 阿部研究室 D1

白井正明

日本スペースガード協会

杉本洋平

JAXA

関口朋彦

北海道教育大学

高橋 護

並木精密宝石(株)、(株)トプコン

匠 あさみ

放送大学M2

種子 彰

SEED SCIENCE Lab.

中条俊大

東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻

辻井利昭

JAXA航空技術部門

豊川光雄

日本スペースガード協会

内藤博之

なよろ市立天文台

中村卓司

極地研

中村秀生

しんぶん赤旗

永山悦子

毎日新聞社

永吉竜馬(ネット参加)

なよろ市立天文台 きたすばる

二村徳宏

日本スペースガード協会

野上長俊

IMO

藤原智子

日本スペースガード協会

藤原康徳

日本流星研究会

船橋和博

日本大学理工学部 阿部研究室

細野七月

京都大学大学院総合生存学館

堀川 康

JAXA

松浦潮洋

スペースガード協会会員

宮内良子

国立天文台

柳沢俊史

JAXA

山岡 均

国立天文台/日本スペースガード協会

山口皓平

京都大学生存圏研究所

山敷庸亮(ネット参加)

京都大学大学院総合生存学館

山本威一郎

JSGA

山本直孝

防災科学技術研究所

吉川 真

JAXA

吉田二美

国立天文台

吉村敬介

共同通信社 科学部

渡辺文健(ネット参加)

なよろ市立天文台

Pellinen Wannberg

ウメア大学(スウェーデン)